海外で暮らしていた頃、
日本へ来るまでに、
物を手放すことに約2年半ほどかかりました。
好きなものに囲まれていた時間が長かったぶん、
ひとつひとつを見るたびに、
思い出まで一緒によみがえってきたのです。
日本へ行きたい気持ちはあるのに、
「まだお別れできない」
そんな気持ちになって、
涙が出ることもありました。
最初は、
無理に全部を手放そうとせず、
少しずつ始めました。
これは今の自分に必要かな。
ありがとうって言えるかな。
そんなふうに、
小さなものから静かに向き合っていったのです。
すると、
少しずつ、
手放すことへの怖さがやわらいでいきました。
不思議なことに、
手放せるようになってからは、
流れが早くなっていきました。
空間が軽くなると、
気持ちまで少しずつ整っていく。
そして気づけば、
新しい人生の景色へ、
ちゃんと進めていたように思います。
物を整えることは、
ただ片付けることではなく、
自分の中を整えていくことにも、
どこか繋がっているのかもしれません。
手放したからこそ、
見える景色もある。
そんなことを、
あの頃の空っぽになっていく部屋が、
静かに教えてくれていた気がします。
