リキオが教えてくれたこと

リキオとムックの関係は、
この半年の間に少しずつ変わってきました。

その変化を見ているうちに、
実は私との関係にも、
小さな変化が起きていることに気づきました。

少し前から、
リキオが時々、
私に苛立ったような様子を見せることがあったのです。

今まであまり見せなかった反応だったので、
どうしてだろうと、
ずっと心のどこかで気になっていました。

そしてある日、
ふと気づいたことがありました。

私はいつも、
猫たちに会うと真っ先にムックを撫でていました。

「おはよう」の挨拶のように、
まずムックに触れて、
そのあとにリキオ、
時にはクロたん、
そしてまたリキオ。

それが、
いつの間にか当たり前になっていたのです。

もしかしたら…。

そう思って、
その日、
リキオに怒られたあと、
一度きれいに手を洗ってみました。

そして、
何も触っていない手を、
そっとリキオの前へ。

すると、
リキオは静かに指の匂いを嗅いで、
いつもの穏やかな表情に戻ったのです。

その瞬間、
あぁ、これだったのかもしれない。

そんなふうに思いました。

本当のところは、
リキオにしか分かりません。

でも、
私が他の猫を触った匂いを、
ちゃんと感じ取っていたのかもしれません。

もしかしたら、
その匂いが少し気になって、
「今はそれが嫌なんだよ」
と伝えてくれていたのかもしれません。

猫たちは、
言葉では伝えません。

けれど、
小さな仕草や反応で、
たくさんのことを教えてくれます。

一緒に過ごす時間の中で、
分かっているつもりでも、
まだ知らないことがたくさんある。

そして、
ある日ふっと、
その子の気持ちが少し見えてくることがあります。

今回もまた、
リキオがひとつ、
新しい言葉を教えてくれたような気がしています。

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