猫に触れるとき、私が最も大切にしていることがあります。
それは、彼らの「自由」を先に約束することです。
「好きな分だけ、受け取ってね。
もういいと思ったら、いつでもおしまいにして大丈夫だよ」
心の中でそう語りかけ、
こちらの都合を一切押し付けないこと。
その「余白」を差し出すことが、
彼らとの信頼関係を築く第一歩になりました。
最初は、手を近づけるだけで
すっと離れてしまった子もいました。
でも、何も求めず、
ただその子のペースを待っていると、
少しずつ逃げずにそばにいてくれる時間が増えていきました。
ある子が、私の手を受け入れてくれるようになるまで、二ヶ月半。
その長い時間をかけて育んだ絆の物語は、また改めてお話ししますね。
ここからが、彼らと心を重ねる本番です。
猫が心底安心するタッチの秘訣。
それは、こちらが猫の「呼吸」に、そっと寄り添うことです。
彼らの胸の上下する静かなリズムに、
こちらの呼吸をそっと重ねていくと、
少しずつ体の力が抜けていくのがわかります。
ふっと、大きなため息をついたり、
そのまま目を閉じて眠りはじめたり。
やがて寝入った体が、ピクッと小さく跳ねると、
「ああ、本当に安心してくれているんだな」と感じます。
その瞬間、
癒されているのは猫ではなく、
彼らの純粋な平穏に触れさせてもらっている私の方なのです。
